地魚 鮨 天麩羅 「銀座 藤田」
あれは、7月の中旬頃だったか?
まさかこんな猛暑になるとは予想だにしなかったが、十分に暑い日だったと記憶している。
その数日前、電話の問い合わせ。新しく銀座に店を構えるのだが是非錫を使いたいので、商品を見せてくれとのことだった。
丁度近く都内の百貨店で製作実演をやるので、と誘導。大抵川口の便の悪い所より、交通の便の良い、しかも見やすく展示された場所に来られるものだ。
しかしこちらの大将、利便性など意に介さず、スタッフを連れて工房に行くと決め、予定の日を告げて電話を切った。
別段訪ねられても不都合はないが、随分と熱心な人だなあと思った。後で知ったことだが、野菜でも魚でも現場を見て仕入れるのが信条だそうだ。「でないとお客さんにちゃんと話せないでしょ。」とは後日談。
当日、来られたのは大将含め3名さん。まず工房でこんな風に作ってますという説明をし、座敷に上がってもらう。説明の最中にもこれかっこいいなあとか何やかや感動した様子。
その上「独立したら絶対錫を使おうと思って探してたんだ」とか「こういう仕事は残してもらわなきゃ困る」とか、完璧に褒め殺されてしまった。
リップサービスとはわかっちゃあいましたが、とにかく熱心なのでつい意気に感じたこともあり、6種類の品取り合わせて計60点余り、納期も厳しかったがお引き受け致した次第でごぜぇます。大分リーズナブルなお値段で・・・
結局、間に合うかどうかというところだったが、どうにか9月上旬に無事納品。
なんと、オープンは9月9日重陽の節句。錫光公式サイトリニュ−アルの日と同日。ご縁がありますなあ。(実は、うちの20回目の結婚記念日だったりするわけです。でへへ・・)
先日銀座に用事があったので、早速うちの陽山と2人でお店の方に寄せて頂きました。
お店の名前は、「銀座 藤田」さん。「地魚 鮨 天麩羅」のコース料理のお店。
銀座は8丁目で、中央通り博品館側の歩道からちょこっと入った地下1階。
お店の暖簾をくぐると、ヒノキの一枚板のカウンター。テーブル席も2席ほどあるようにお見受けした。
まだ新規開店の余韻を残すように、胡蝶蘭がいくつもいくつも所狭しと店内を彩っていた。ここの大将の人望だろう。前日までは入れない人もいたほどで、行った日はたまたま空いていたのでよかったと。今度来るときは前もって連絡してと釘を刺された。
おいしい肴をあてに、自分の作った錫で飲む。ビール、日本酒、焼酎一通りいただきました。
自宅でも錫はもちろん使うが、肴は違うし酒の中身も違う、格別です。
また大将が言う、「来るお客さん来るお客さん、これいいねって錫、褒めていかれますよ。これだけ思い切って錫で揃えてよかったよ。」と。
わかっちゃいるけど、また、最後の最後に褒め殺された・・・ちょいと酔いがまわっちまったかなあ。
* 銀座藤田 お問合せ電話番号 03−3572−5601
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- 2010.09.17 Friday