越後の味“吹雪”(ふぶき)

新潟へ出張の時は、うまく時間が取れれば伺うようにしている創作料理のお店がある。
新潟駅万代口を出て、ほど近い中央区弁天にお店がある。「越後の味 吹雪」だ。



あれはもう何年前になるんだろうか?

先代の光山がまだ健在の時、新潟の百貨店の職人展におそらく初めて伺った時だった。
その時は確か、光山が前半の3日間、途中交代で後半を私が受け持ったと記憶している。

吹雪のご主人が錫に目を掛けて頂いたのは、この時。光山と話をさせて頂いたらしい。
2、3日後その催事の会期中に、私が担当の時にもう一度ご来店頂いたと思う。

私が錫の説明をするまでもなく、既に光山の話に強い関心をもってくださり、
父の人柄や作品に、おほめの言葉をいただいた。ことに絵柄の入った漆塗りのものよりも、
ツチメのシンプルなものをお気に召され、追加をお求めに再来店されたのだ。

細身で眉のキリリと太い意志のお強そうなところを感じたが、にこやかに優しく目を細めながら
お話して頂いた事をよく覚えている。このツチメがいいよねえ、いいよねえと何度も何度も
おほめいただいたので、本当に心底気に入ってもらえたんだなあと大変うれしかった。

実は本当に錫に惚れこんでしまう人は、漆を施さない、ツチメ柄程度のシンプルな、
錫色そのものを好まれる傾向があり、流石わかってらっしゃると思ったのだが、
後になって、こちらのご主人抽象画をお書きになる芸術家であり、お店の方も
輪島塗や古伊万里などこだわりの器で肴を盛り付けてくれる通人と知り、
なるほどと思ったのである。

ところでその時の追加でお求めになられた理由。
この前に持ち帰りおかみさんに披露したところ、自分のだけなのかと言われて
お忙しい中買いに来て頂いたのである。ホント、気のお優しいご主人なのである。



入ってすぐのところは座敷で座卓が4つぐらいあったろうか。
奥にカウンターがあり、カウンター内の壁面にはご主人の作品が掛っている。



座敷から変わらぬ高さがカウンターの腰掛のところまで伸びており、
少し高く孤立した腰掛とカウンター下の小さな段差が、座るのにちょうど心地よい高さに
調整されている。カウンターテーブルと丸い腰掛との距離も絶妙で、ゆったりとくつろげる。





酒の肴は、芸術家肌のご主人の創作料理で、伊万里の器などに盛られて供される。

詳しくは、「越後の味 吹雪」さんまで → 雪花の小部屋

ちなみに、錫光の一口ビールやぐい呑みで、ビールやお酒も召し上がれます。

こちらで初めて錫を使ったお客様が、埼玉まで買いに来て頂く事も2度3度ではありません。
ビールをご注文のお客様の中には錫をご指定される方もいらっしゃるとか。

いくら店頭で錫の良さを懸命にアピ−ルしたところで、
実際に使って実感して頂く事にはかないませんね。吹雪さんありがとうございます。
またお邪魔させて頂きます。

埼玉県物産観光館「そぴあ」

 大宮駅の西口に、大宮ソニックシティという高層ビルがある。

大宮の西口というと、はるか遠い昔の記憶では、東口の華やかさに比べ
昭和の雑踏を感じさせる小さな商店が立ち並ぶ地味なイメージがうっすらと残っている。

失敬!私の幼いころの遠い昔の記憶で、40年以上前の脳内の残像で、
何かほかのところと混同してしまっているやも知れぬ。失敬!失敬!

とまれ、駅前にそごうさんや家電量販店はなかったと思うし、
大宮ソニックシティビルも例外ではない。急速に開発された地であることは間違いない。



そして、またまた記憶があいまいで恐縮だが、たぶん15年以上前からここの地下1階、
埼玉県物産観光館「そぴあ」というお店に錫製品を置かせて頂いている。



東京に近すぎるせいか目立たないが、小川和紙や桐製品、人形などの伝統工芸を
はじめ、特色ある食品も多数あり、なかなか捨てたもんじゃない。

県外の人は、埼玉都民という造語が象徴するように、埼玉は東京の補完、的な見方をし、
県内の人も、他から移り住んで来られたり、便がいいので出かける先は東京という感じで、
愛着がいまいち薄いのかもしれない。厳しい状況もあったと思う。

そんな中にあって、「そぴあ」さんは、年々売り上げを伸ばしていると聞く、
元からしっかりとした実力はあると思うので、広報さえ上手に出来ればなどと
関係する方々のご苦労も知らずに勝手に思い込んでいるが、あながちウソではないと思う。

私のところは、「元からしっかりとした実力がある」という範疇には属さないが、
ここ2,3年はご連絡を頂く事も徐々に増えてきている。

店長のHさん初めスタッフの皆さんが一生懸命にやって頂いているおかげであるが、
こちらに売り場に神経がいっていなかった感があったので反省し、少しずつ工夫をしている。



店内に入って右にレジ、そこから奥に向かってダルマさんや市松人形が見える。
その市松人形の下のガラスケースの中にスペースを割いて頂いている。



やはりここは主力は食品であり、お土産的にお買い求めの方が多いと聞いている。
そこで干支の根付などお求めやすいものを置くようにしてみたのだ。

ぐい呑みや一口ビールもお求めいただけることも多く、
錫光にとって大変ありがたいコーナーとなっている。

    干支根付 十二支          各税込1,890円
    袋入り盃               税込3,990円
    RING赤と黒(箸置きぺあ)      税込3,780円
    ぐい呑み               税込5,250円より
    一口ビール              税込10,500円より

店員の方にお声をかけて頂ければ、施錠を解除して手に感触を確かめて頂くことも可能です。
是非一度お立ち寄りくださいね。


年頭のご挨拶

 年頭のご挨拶と申しましても、既に1週間以上経ってしまいました。

遅ればせながら、今年も1年頑張りますので、皆さん宜しくお願いします。

錫器の製作はもちろんのこと、コルザデザインの野原さんのアドバイスを仰ぎつつ、
作って頂いたロゴを有効に活用して錫の普及にひと工夫しようと思っています。
職人ごときがとおっしゃらずに、ロゴを見かけたらお声掛けいただいたり、
思い出していただけたら幸いです。


    


「刻印は責任の証し(2010.10.21)」にも少し触れましたが、

8世紀の中国唐代の書家、懐素さんの「錫」と「光」の文字をアレンジして
時計回りに回転した模様になっています。

左のロゴのアルファベットのところをジッと見て頂きたいんですが、

「O」は、ロクロを正面から見た丸であり、それに隣接する「K」は、
左手で押えながら、右手に持ったカンナで削っているところをイメージしています。

そして「U」は、今まさに削られようとしている、あるいは、仕上げられた「器」たちです。

どうです。「SUZUKOU」の文字で、
ロクロ挽きで器を仕上げていく工房の様子が浮かびませんか?

ちょっと無理がある?かもしれませんが、そんな意味が込められたいるんです。


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プロフィール

錫光は、ロクロ挽きで酒器・茶器等の錫(すず)製品を作る工房です。地金の仕入れから鋳込み・ロクロ挽き・ツチメ打ち・絵付け・漆塗りなど一貫した手作りにこだわる伝統工芸品を製造販売しています。
このサイトは、新着情報や日々感じたことなどを気まま勝手に綴る、錫光のオフィシャルブログサイトです。

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