鋳型から始まる錫工芸
錫工芸、錫細工は、金工の中でも特殊なんだとの認識がある。
そもそも素材の錫が変わってる。
230度程度の低温で溶けてしまう!(融点が低い)
柔らかく加工がし易い。ゆえに金偏に易と書いて錫なのだ。
他に錆止めに使われるとか、水を浄化すると言われているとかetc.
加工の仕方だってロクロ挽きですよ。他に例が無いわけではないが、ロクロ挽きがメインになる金工は無いでしょう。
ただしいくら柔らかいと言ったって塊からロクロ挽きでは流石に骨が折れるし効率的でない。
なので型に流し込んである程度のおおよそのかたちを先ず作ってしまうわけです。
そう鋳型による鋳造ですね。鋳込みと言っております。
オス型とメス型で隙間を作り、そこへ溶かした錫を流し込むわけですが、まあ今はセメントで自作するんですね。
大体出来上がりの倍くらいの厚みになるようにします。本当は薄ければ薄いほど良いわけですが、それはそれで流れにくいなどの問題が出てきちゃうわけですわ。で倍くらい。
よく半永久的に使えちゃうんですなどと簡単につい言ってしまうんですが、20年とかそれ以上使っているやつなんかは、ダマシダマシですよ。ほんと気ぃ遣いながらメンテしながらですね。
鋳込みって実は作業自体はそう難しくない。それぞれ一個一個にクセがあるのでそれさえ踏まえちゃえば出来ちゃうんですよ。
まあ手際の良さとか特徴を早くつかめるとかってえのはやはり経験ですけどね。
だけどもやっぱり本当の意味で出来るようになるってえのは、型に余分な負担をかけなかったり、トラブった時の対処、メンテ、勿論一等最初に鋳型そのものを作れることなんです。
それってあまり訪れないイレギュラーな対応で、つまりあまりやれる機会が無いわけなんです。
今日はほんと久しぶりの出来事なんですが、実はこれほどっていうのは初めてかもしれません。
メス型の底の方から中段位まで敢えてバラしました。もういい加減限界かもワカラン。
出来るだけの手は尽くしダメだったらまたセメント練って最初から作り直そう!
- いま思うこと
- 2012.04.12 Thursday